新着記事
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短歌・俳句・詩
『八月のフルート奏者』笹井宏之
【何色でもない言葉、しいていうなら風の色に近い言葉。】 26歳の若さで亡くなった歌人・笹井宏之の第三歌集。 「透明感」という言葉で語られることの多い笹井ですが、本歌集の傾向は少し異なります。 それは新聞投稿歌を中心にまとめられているからです。... -
生活・実用
『色の秘密 ー 色彩学入門』野村順一
【生活を変えたいなら、まず「色」を知ろう。】 巻頭カラー図表がおすすめです。 「好きな色で異性との相性が分かる」「好きな色で分かる人柄と適職」「自分色とその人物像」など、色が持っている特性や傾向を一目でつかむことができます。 例えば「黄色」... -
言葉
『古文の読解』小西甚一
【習うより慣れろ。古文だって例外じゃない。】 古文に苦手意識がある方は少なくありませんが、古文は決して取っつきにくいものではないことを、この一冊が教えてくれます。 全六章から成り、昔の暮らしから文学のジャンル分け、そして古典文法の詳細な説... -
随筆・エッセイ
『整形前夜』穂村弘
【「前夜」の後に訪れる夜を「前夜」とは呼ばない。】 記憶や日常、言葉をテーマとした、歌人・穂村弘のエッセイ集。本書には中学生時代の出来事がたびたび登場し、自分の中学生時代と比較して共感したり、そうかなと感じたりしながら読み進めることができ... -
短歌・俳句・詩
『山頭火句集』村上譲編
【ことばは旅、旅はことば、ふりむけば山頭火。】 種田山頭火の自由律俳句は、どこか心の深部へ入ってくる何ともいえない心地よさがあります。 「分け入つても分け入つても青い山」「まつすぐな道でさみしい」「寒い雲がいそぐ」「月かげのまんなかをもど... -
小説
『ショートショートの広場』星新一編
【玉手箱をいくらでも開けていいよといわれたら、この広場の玉手箱すべてを開けてしまいたい。】 星新一ショートショート・コンテストの入選作品を集めた、ショートショートの作品集です。コンテストの作品であるため、それぞれの作品の書き手はプロではあ... -
囲碁・将棋・チェス・麻雀
『常識外の一手』谷川浩司
【一歩外に踏み出すこと。勇気のいることかもしれないが、その意識をもった段階で、すでに「常識外」に半歩足を踏み入れている。】 将棋には「定跡」と呼ばれる、いわば決まった最善手順がいくつもあります。定跡に従うことを「常識」というのであれば、定... -
言葉
『〈辞書屋〉列伝 ― 言葉に憑かれた人びと』田澤耕
【言葉を拾いつづけるひとりにとって、それは夢を拾いつづけることに等しい。】 生涯をかけて辞書を編んだ人々の素顔を丁寧に描いた一冊です。 取り上げられているのは『オックスフォード辞典』『ヘブライ語大辞典』『アメリカ英語辞典』『スペイン語用法... -
マンガ
『伊賀の影丸』横山光輝
【かつて一度は手裏剣を飛ばす真似をしたことがないだろうか。あのときの高鳴る気持ちに戻ることができるのなら・・・。影丸を紐解けば、ほらもう「あのとき」。】 忍者マンガブームの一翼を担ったのが『伊賀の影丸』でしょう。 服部半蔵に仕える主人公影... -
歴史・地理
『史記の風景』宮城谷昌光
【パソコンはなかった。でも、いや、だからこそ、『史記』が生まれた。】 紀元前の中国、司馬遷が完成させた大歴史書『史記』。 五帝の時代から、春秋戦国時代、そして漢の時代の風景を、宮城谷昌光氏がエッセンスを抜き出し、わかりやすく展開してくれま... -
数学
『世にも美しい数学入門』藤原正彦 / 小川洋子
【わからない、わからない、でも好きなんです。数(Kazu)が。】 エッセイストで数学者の藤原正彦氏と、作家の小川洋子氏の数学にまつわる対談集です。 数学は苦手という人にもわかりやすく、ひとつひとつの用語についても解説がされています。特に、素数... -
言葉
『翼のある言葉』紀田順一郎
【翼は、鳥の特権じゃない。ほら、私の言葉にも生えている。】 古今の名著から百近い言葉を、「希望」「信念」「世界」「真理」「幸福」「わが人生の路標」の六つの章に分けて紹介しています。 例えば「信念」の章には、ゲーテの『ファウスト』から次の言... -
哲学・思想
『幸福論』アラン
【「幸福になりたい」というときの「幸福」っていったい何を指すのだろう。】 有名著述家が書いた『幸福論』というタイトルの本は何冊かありますが、中でもアランのものが有名です。 本書には幸福に関する93のプロポ(哲学断章)が収められています。「ほ... -
言葉
『日本語の冒険』阿刀田高
【日本語って、もっとも身近で、もっとも複雑で、もっとも楽しいパズル!】 いろはカルタ、漢字、クロスワード、辞典、5W1Hなどをテーマに、日本語の楽しさをストーリー仕立てに展開する、日本語がギュッと詰まった一冊。 読み終えたとき、家族や友達に紹... -
登山・ハイキング
『私はなぜ80歳でエベレストを目指すのか』三浦雄一郎
【見上げれば、あの頂は遥かに遠い。でも一歩進めば、その頂は一歩分確実に近づいている。】 「あなたのエベレストはどこにあるのか?」 この質問が強烈に胸に刺さってきます。 三浦雄一郎氏は、目標が達成できる・できない以上に、目標を設定することその... -
科学・サイエンス
『恋愛脳』黒川伊保子
【そもそも脳にも「性別」があったんだ。】 副題は「男心と女心は、なぜこうもすれ違うのか」。 男性は女性の、女性は男性のことを本当に理解できているのでしょうか。結婚した夫婦でさえ、パートナーに対して、どうしてそんな態度や行動をとるのだろう、... -
小説
『冬山の掟』新田次郎
【冬山は夏山とは違う。冬山に人が足を踏み入れること、その行為自体そのものが、実は相当恐ろしいことであるのかもしれない。】 表題作「冬山の掟」の他、「地獄への滑降」「霧の中で灯が揺れた」「遭難者」「遺書」「おかしな遭難」「霧迷い」「蔵王越え... -
小説
『満願』米澤穂信
【六つの全く異なる時空に、私は知らない間に立っている。いつの間にか、その世界に参加している圧倒的リアリティ。】 表題作「満願」の他、「夜警」「死人宿」「柘榴」「万灯」「関守」の推理短編小説六編が収録されています。 第27回「山本周五郎賞」を... -
クイズ・パズル
『ポール・スローンのウミガメのスープ④』ポール・スローン+デス・マクヘール
【毎日が単調だと感じたら、この本を手にとればいい。あなたの脳はもっと刺激を求めるはずだ。】 水平思考推理問題を79問収録。 例えばQ1はこんな問題です。 ある日やっと借金を返そうとしたのに、貸した男はお金を受け取ろうとしない。なぜ? 答えを知れ... -
小説
『戻り川心中』連城三紀彦
【花は、時に優しく、時に力強い。花のまわりに集う言葉の数々は何と美しいのだろう。】 表題作「戻り川心中」の他、「藤の香」「桔梗の宿」「桐の柩」「白蓮の寺」と、花にまつわる推理小説五編が収録されています。 連城三紀彦氏の文章は読んでいてとて... -
ノンフィクション
『将棋の子』大崎善生
【敗れた者の目に映るものは、後悔、諦念、憎悪・・・。いや、それらのいずれとも異なる感情が漂っている。】 将棋のプロ棋士になるために通らなければならない「奨励会」。そこで繰り広げられる将棋の青春ドラマを描いた傑作ノンフィクションです。 奨励...