小説– category –
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『八甲田山死の彷徨』新田次郎
【集団とは時に怖ろしいものである。集団としての判断が間違いであっても、その判断を正すことができるのは集団だけであり、決して個人ひとりによって止めることはできないからである。】 日露戦争前夜に実施された八甲田山の雪中行軍遭難事件について、そ... -
『博士の愛した数式』小川洋子
【数学美に魅せられた人の、その顔のうつくしさ。】 数学や数式を素材にした小説と聞くと、苦手意識が働く人もいるかもしれませんが、本書は難しい数学というよりも、思わず興味を惹かれる数や数式の話がちりばめられています。ですから決してとっつきにく... -
『ショートショートの広場』星新一編
【玉手箱をいくらでも開けていいよといわれたら、この広場の玉手箱すべてを開けてしまいたい。】 星新一ショートショート・コンテストの入選作品を集めた、ショートショートの作品集です。コンテストの作品であるため、それぞれの作品の書き手はプロではあ... -
『冬山の掟』新田次郎
【冬山は夏山とは違う。冬山に人が足を踏み入れること、その行為自体そのものが、実は相当恐ろしいことであるのかもしれない。】 表題作「冬山の掟」の他、「地獄への滑降」「霧の中で灯が揺れた」「遭難者」「遺書」「おかしな遭難」「霧迷い」「蔵王越え... -
『満願』米澤穂信
【六つの全く異なる時空に、私は知らない間に立っている。いつの間にか、その世界に参加している圧倒的リアリティ。】 表題作「満願」の他、「夜警」「死人宿」「柘榴」「万灯」「関守」の推理短編小説六編が収録されています。 第27回「山本周五郎賞」を... -
『戻り川心中』連城三紀彦
【花は、時に優しく、時に力強い。花のまわりに集う言葉の数々は何と美しいのだろう。】 表題作「戻り川心中」の他、「藤の香」「桔梗の宿」「桐の柩」「白蓮の寺」と、花にまつわる推理小説五編が収録されています。 連城三紀彦氏の文章は読んでいてとて...
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