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言葉とともに暮らし、言葉とともに眠る。
詩人の生活とはどんなものか気になる方は多いと思います。詩集からだけではわからない、詩人の生活の一端を本書はのぞかせてくれます。
構成は大きく3章。新聞や雑誌に掲載されたショートエッセイを集めた「私」、11の言葉を取り上げて綴った「ことばめぐり」、そして日付入りの「ある日」から成ります。
言葉に対する態度を述べたものや、思わずニヤリとしてしまう文章もあり多彩な一冊です。「花」という題のエッセイに述べられた次の言葉が印象に残っています。
目前の一輪の花の精妙な美しさに驚きと畏敬を感ずるとき、それに名前をつけるという行為が、どこか自然に対する冒瀆とも思えることが私にはあります。(「花」)