書評– tag –
-
数学
『世にも美しい数学入門』藤原正彦 / 小川洋子
わからない、わからない、でも好きなんです。数(Kazu)が。 エッセイストで数学者の藤原正彦氏と、作家の小川洋子氏の数学にまつわる対談集です。 数学は苦手という人にもわかりやすく、ひとつひとつの用語についても解説がされています。特に、素数や自... -
言葉
『翼のある言葉』紀田順一郎
翼は、鳥の特権じゃない。ほら、私の言葉にも生えている。 古今の名著から百近い言葉を、「希望」「信念」「世界」「真理」「幸福」「わが人生の路標」の六つの章に分けて紹介しています。 例えば「信念」の章には、ゲーテの『ファウスト』から次の言葉が... -
哲学・思想
『幸福論』アラン
「幸福になりたい」というときの「幸福」っていったい何を指すのだろう。 有名著述家が書いた『幸福論』というタイトルの本は何冊かありますが、中でもアランのものが有名です。 本書には幸福に関する93のプロポ(哲学断章)が収められています。「ほほ笑... -
言葉
『日本語の冒険』阿刀田高
日本語って、もっとも身近で、もっとも複雑で、もっとも楽しいパズル! いろはカルタ、漢字、クロスワード、辞典、5W1Hなどをテーマに、日本語の楽しさをストーリー仕立てに展開する、日本語がギュッと詰まった一冊。 読み終えたとき、家族や友達に紹介し... -
登山・ハイキング
『私はなぜ80歳でエベレストを目指すのか』三浦雄一郎
見上げれば、あの頂は遥かに遠い。でも一歩進めば、その頂は一歩分確実に近づいている。 「あなたのエベレストはどこにあるのか?」 この質問が強烈に胸に刺さってきます。 三浦雄一郎氏は、目標が達成できる・できない以上に、目標を設定することそのもの... -
科学・サイエンス
『恋愛脳』黒川伊保子
そもそも脳にも「性別」があったんだ。 副題は「男心と女心は、なぜこうもすれ違うのか」。 男性は女性の、女性は男性のことを本当に理解できているのでしょうか。結婚した夫婦でさえ、パートナーに対して、どうしてそんな態度や行動をとるのだろう、と疑... -
小説
『冬山の掟』新田次郎
冬山は夏山とは違う。冬山に人が足を踏み入れること、その行為自体そのものが、実は相当恐ろしいことであるのかもしれない。 表題作「冬山の掟」の他、「地獄への滑降」「霧の中で灯が揺れた」「遭難者」「遺書」「おかしな遭難」「霧迷い」「蔵王越え」「... -
小説
『満願』米澤穂信
六つの全く異なる時空に、私は知らない間に立っている。いつの間にか、その世界に参加している圧倒的リアリティ。 表題作「満願」の他、「夜警」「死人宿」「柘榴」「万灯」「関守」の推理短編小説六編が収録されています。 第27回「山本周五郎賞」を受賞... -
クイズ・パズル
『ポール・スローンのウミガメのスープ④』ポール・スローン+デス・マクヘール
毎日が単調だと感じたら、この本を手にとればいい。あなたの脳はもっと刺激を求めるはずだ。 水平思考推理問題を79問収録。 例えばQ1はこんな問題です。 ある日やっと借金を返そうとしたのに、貸した男はお金を受け取ろうとしない。なぜ? 答えを知れば、... -
小説
『戻り川心中』連城三紀彦
花は、時に優しく、時に力強い。花のまわりに集う言葉の数々は何と美しいのだろう。 表題作「戻り川心中」の他、「藤の香」「桔梗の宿」「桐の柩」「白蓮の寺」と、花にまつわる推理小説五編が収録されています。 連城三紀彦氏の文章は読んでいてとても心...