「大豆ミート」を知っていますか?
直訳すると「大豆の肉」。大豆を使って肉のような味や食感、栄養価を再現した食品のことです。
この大豆ミート、近年世界中で人気になっており、日本でもどんどん広がっています。身の回りのお店で、大豆ミートを使った商品が売られているのを見たことがあるかもしれません。
さらに、大豆ミートは食糧難や地球温暖化など環境問題への対策しても注目されているのです。
今回は大豆ミートがどんなものなのか、大豆ミートと食糧難対策、地球温暖化対策との関わりについて見ていきましょう!
大豆ミートが好まれる理由。植物性食品・大豆ミートの定着
大豆ミート(ソイミート)は、肉に近い味や栄養価でありながら、100%植物性の食品です。他にも植物性代替肉は存在しますが、大豆ミートはその中でもっとも多く広まっています。
大豆は植物の中で唯一肉に匹敵する量のたんぱく質が含まれているほか、肉に比べて低カロリー低脂質で、食物繊維やビタミン・ミネラルなどが肉よりも非常に豊富です。また、肉に含まれる飽和脂肪酸や、コレステロールを含まないのも大きな特徴です。
元々は肉を食べない菜食主義の人々に、肉の代わりとして重宝されていた大豆ミートですが、そのヘルシーさや栄養の豊富さから、糖質制限ブームなどの健康志向が高まる一般の人々にも好んで食べられるようになりました。
現在では、様々な場所で大豆ミートを使用した商品が販売されています。
例えばスーパーでは、大豆ミートのナゲットやハムなどが並ぶようになりました。私自身、スーパーに売っている大豆ミートのナゲットを食べたことがありますが、肉との区別がつかないほどに肉そのものの味で、本当に驚きました!
また、モスバーガーや焼き肉ライクなど、肉が欠かせないように思われるお店でも、肉の代わりに大豆ミートを用いたメニューを提供しているんです!
このように、どんどん身近になってきている大豆ミート。味のクオリティも、年々上がっているように感じられます。
ここまで大豆ミートが広まっている理由は、どうやら近年の健康志向だけではないようです。もう一つの大きな理由が、地球へのやさしさです。次はこのことについて見ていきたいと思います。
地球や環境にやさしい大豆ミート! SDGsとの関係は?
冒頭で述べたとおり、大豆ミートが地球にやさしいとされる理由は二つです。
- 食糧難対策になる
- 地球温暖化対策になる
食糧難対策
現在発表されている最新の世界人口は2019年で、約77億人にのぼるということです。そして、今後30年で20億人ほど世界人口が増えると見込まれています。
このまま人口が増加していくと、将来食糧難になる恐れがあるとされています。特に、深刻的なたんぱく質不足になると言われています。
それを避けるために注目されているのが、大豆!
大豆は、幅広い気候で栽培することができるそうです。大豆生産量が多い国を見ても、カナダから南アフリカまで、気候の様々な国が挙げられています。
また、家畜を育てるためには、餌として多くの食料資源が必要となりますが、大豆は少量の水や肥料で育てられます。
つまり、大豆は家畜よりも様々な場所で育てられ、また消費する食料資源も少ないなどといった様々な理由から、食糧難に対抗できるたんぱく源と考えられているのです!
地球温暖化対策
地球温暖化と言えば、人間の生活で排出される二酸化炭素が有名ですが、実はそれだけではありません。飼育された家畜からも多くの温室効果ガスが発生するのです。
例えば、牛の胃から発生されるゲップにはメタンというガスが含まれており、メタンには二酸化炭素のおよそ25倍の温室効果があります。
このまま人口が増え、たんぱく源をまかなうために飼育される家畜の数が増えると、家畜の飼育によって出る温室効果ガスもどんどん増えてしまいますよね。
その点大豆は植物なので、温室効果ガスを排出することはありません。
そのため、家畜によって得ていたたんぱく源の一部を大豆で補うことができれば、温室効果ガスの増加が抑えられ、地球温暖化予防につながるのです!
大豆ミートが地球にやさしいとされる点について、二つの観点から見てきました。
この二つ以外にも、水の消費量が少ないなど様々な観点があります。大豆はいろんな意味でスーパーフードですね!
2015年にはSDGs(持続可能な開発目標)が国連サミットで採択され、飢餓をなくすことや持続可能な生産・消費により強く目が向けられるようになってきました。
大豆ミートは、この目標に近づくためのカギとしても大きな注目を集めているのかもしれません。
まとめ:地球や環境にやさしい植物性食品「大豆ミート」
ここまで、大豆ミートの特徴とその商品の広まり、そして大豆ミートと食糧難対策、地球温暖化対策との関係についてお話してきました。いかがでしたでしょうか。
大豆ミートが広まった背景を考えると、大豆ミートはただのブームではなく、ずっと私たち人間の体を支えてくれる食材となりそうです。
大豆ミートを上手に取り入れて、地球の未来にも貢献したいですね!