私は子どもの頃から、「焼いたもので焦げている部分は病気の元になる」「疲れたときは、甘いものを食べると疲れが取れる」というようなことを、本当だと信じていました。
例えば、自分で料理するときは気をつけることができるので良いのですが、外食でハンバーグが焦げていたらその部分は避けたり、勉強して疲れたときは、大量のチョコレートを食べたりしていました。
しかし、これらはなんの医学的な根拠はなく、いわゆる「都市伝説」的なものだったことを知り、これまでの思い込みにとても驚きました。
そこで今回は、意外と真実が知られていない、「食」にまつわるウソ?ホント?についてみていきたいと思います。
なぜ「食」にまつわるウソ?ホント?が生まれたのか
このように意外と知られていない「食」にまつわるウソ?ホント?ですが、なぜ都市伝説のように伝えられ続けてきたのでしょうか。
新しく「説」が生まれたときには、目新しい健康に関する話で多くのメディアで取り上げられ、一気に知れわたります。
しかし、何かをきっかけに否定する事実が出てくると、それはあまり広められることがないため、最初の「説」がそのまま残ります。
例えば、その分野に関する知識が豊富な人であれば、肯定する意見と否定する意見を自分の中で咀嚼して、自分なりの見解を生み出すことができるかもしれませんが、そのような人は多くないと思います。
実はウソ?だった!
ここでは、多くの人が信じている「説」をいくつかご紹介したいと思います。
ウソ?① 疲労回復には甘いもの
ホントは、甘いものを食べなくても疲労回復できます。
勉強や仕事をして疲れたとき、チョコレートやクッキーなど甘いものを食べると、疲れも回復すると言われてきました。
そして私自身も疲れたときには、チョコレートを食べたくなり、甘いものを食べるとまたやる気になっていたように思います。
しかし、それには医学的な根拠はないのに、なぜ私たちは疲れたときに甘いものを摂取すると回復した気になるのでしょうか。
事実、糖分を摂取することにより、ドーパミンが体内で分泌され、とても楽観的な気分になり高揚します。
この心地よさを脳が記憶するため、疲れたときに甘いものを食べると気持ちが楽になり、疲労回復した錯覚が再び起こります。
そしてそれが習慣化されていくので「疲れたとき→甘いもの」という図式が定着してしまうことになります。
ウソ?② 卵は一日一個まで
ホントは、上限はありません。
卵はコレステロールが多いので、食べ過ぎると動脈硬化を引き起こす、と言われ続け、一日一個までとされてきました。
しかし、2015年「日本人の食事摂取基準」でコレステロール値の基準は撤廃されたと同時に、食事で摂取するコレステロールは排出されることが分かりました。
卵を食べると悪玉コレステロールが増えると言われていましたが、悪玉コレステロールは「悪」ではなく、体にとっては必要な要素のひとつでもあります。
よって、悪玉コレステロール=卵ではなく、適度に卵を食べることも体にとっては必要だということです。
ウソ?③ 焦げている部分を食べると病気になる
ホントは、すべての焦げが悪いわけではなく、よい焦げもあるということです。
例えば、食パンをトーストしたときに長い時間焼いていると焦げてきます。
この焦げは体によくないと思っている人が多いと思いますが、実は調理によってできた焦げには、抗酸化作用や胃腸を整える働きがあるんです。
そしてこれは味噌や醤油でも同じことが言えるので、焼きおにぎりで少し焼き目がついているのは栄養的にみてもプラスになるということが分かります。
ウソ?④ 塩分はなるべく控えた方がよい
ホントは、一日2gは必要だと言われています。
塩分は高血圧、脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞などの生活習慣病になると言われています。
そのため、できる限り、塩分は摂らない方がよいと思われている人の方が多いと思います。
しかし、実は、人間の体には最低でも一日2gの塩分が必要とされています。理想の塩分量は成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満です。
ただ、塩分というものは塩そのものではなく、醤油やソースなどの調味料にも含まれているため、塩分を意識することが大切ですね。
ウソ?⑤ スイカに栄養はない
ホントは、血管を柔らかく保つ栄養素があります。
スイカには、人間の体にとって重要な栄養素のひとつであるシトルリンが含まれています。
血管を拡張して血管を促進し、動脈硬化の予防にもなります。さらに疲れにくい体を作る効果もあるので運動の前に食べるのがおすすめです。
意外と知られていない、「食」にまつわる都市伝説的なウソ?ホント?がこんなにあるんですね。
まとめ:意外と知らない!「食」にまつわるウソ?ホント?
私たちは、良くない「説」に関しては、興味深く、すぐに読んだり聞いたりして実行しがちですよね。しかし、そこに医学的根拠がないことが分かりました。
「説」に対して否定説があっても、それまでによくないと信じて実行してきた習慣を簡単に変えることができません。
「食」は私たちにとって生きる上でとても重要な要素です。
よくないこと、よいことをいろいろな角度から観察し、ひとつの「説」に囚われることなく、広い視野を持って自分で考え、実行していきたいですね。