「食パン」と聞いてみなさんは「山型」と「角型」どちらを思い浮かべますか?
普段から食べ慣れている型が、思い浮かぶのではないでしょうか。
私の両親はいつも「山型」の食パンを好んでいますが、私はやはり「角型」の食パンが真っ先に思い浮かびます。
食パンはそのままトーストして食べるのはもちろん、好きな具材を挟んでサンドウィッチにするのもいいですよね。
しかし、この「食パン」。
実は「山型」と「角型」では味わいが異なることをご存知でしたか?
そこで今回は「山型」と「角型」の食パンの食べ方によって、おいしさがより異なる食パンの秘密に迫ってみました。
山型と角型の食パンの違いは?
昔は角型の食パンが主流でした。それが今では山型の食パンもほとんどのメーカーで見られるようになりました。
実は、この「山型」と「角型」の2種類の形の食パンは見た目が違うのはもちろん、製法も違うので「味」と「食感」も違ってくるのです。
「山型」と「角型」の食パンは、形からして違いがあるのは一目瞭然ですが、成形の時点でも大きな違いがあります。
ガス抜きによる違い
パンは材料を合わせて練った後に「発酵」という段階があります。そして発酵させた後に「ガス抜き」という中の空気を抜く作業があります。
ガス抜きにおいて、角型の食パンは均一にガスを抜くことにより、きめの細かい生地になっていきます。
これに対して、山型の食パンは均一にガスを抜かないため、ランダムな気泡が形成され、口当たりも変わってきます。
焼くとき蓋のあるなしによる違い
そして型に入れて焼いていく段階に入りますが、ここでも角型と山型では違いがあります。
型の大きさは同じですが、生地を流し込んだ後に蓋をするかしないかで見た目と食感に大きな違いが出てくるのです。
角型の食パンは蓋をして焼くため、水分が蒸発するのを防ぎ、しっとりとしたパンに仕上がります。
これに対して、山型の食パンは蓋をせずに焼くため、パンの上部が膨らみ、ほどよく水分も抜けて軽い食感のパンに仕上がります。
焼く時間による違い
さらにこの焼く「時間」にも違いがありました。
山型の食パンは蓋をしない分、焦げやすくなっています。
そのため、角型の食パンに比べ、オーブンの温度を下げて焼き時間を長くしているのです。
食パンに関する実態調査
パンの大手製造会社「敷島製パン」が、10代から60代の男女500名に「食パンに関する実態調査」を行った結果が興味深い内容だったのでご紹介したいと思います。
質問とそれに対する回答は以下の通りです。
(質問1)食パンのどんなところが好きですか?
- シンプルな味わいでいろいろなアレンジが楽しめる(52.8%)
- トーストしたときのさっくり食感が好き(46.6%)
(質問2)食パンの好きな食べ方はなんですか?
- トーストしてバターやジャムを塗る(81.4%)
- トーストせずにそのままでバターやジャムを塗る(51.6%)
(質問3)食パンを選ぶ基準はなんですか?
- 価格(35.3%)
- 味(31.2%)
- 厚さ(18.1%)
- 食感(16.5%)
質問3から、価格に加え「味」と「食感」が食パンを選ぶ基準で大きな割合を占めていることがわかります。
同時に、質問1で食パンの味について、質問2では食感について、それぞれ興味深い回答となっています。
そして実はこの「味」と「食感」こそが、「山型」と「角型」に大きな違いをもたらしているのです。
それでは次に「山型」と「角型」に最適な食べ方について見ていきましょう。
山型はトースト、角型はサンドイッチが最適
さきほど紹介した通り、山型と角型の食パンは製法そのものに大きな違いがあることが分かりました。
このような製法の違いから味と食感にも違いがでるため、より引き立つ食べ方がそれぞれ異なります。
山型食パンはトーストがおすすめ
山型食パンはさっくり食感がより際立つようにトーストして食べるのがオススメです。
また軽い食感を活かして、スクランブルエッグやハム、ベーコンなどと組み合わせても美味しく食べることができます。
角型食パンはサンドイッチがおすすめ
焼くときに蓋をして水分を閉じ込めたしっとりとした角型食パンはそのまま食べてもおいしく、とても味わい深いので、
具材を挟んでサンドイッチがオススメですね。
またもっちりとしているので、そのもっちり感を味わいたい方は厚切りの角型パンを選ぶことがオススメです。
そのまま食べても美味しい角型食パンは、食パンのもつ柔らかさとほんのりとした甘さが引き立つフルーツサンドとしてよく使われているのもうなずけますね。
見た目の形だけではなく、味や食感が異なる「山型食パン」と「角型食パン」。
それぞれのよさを活かしたアレンジの仕方により、食パンの食べ方にも幅が広がり、今までとは違った楽しみ方ができますね。
まとめ:食パン「山型」と「角型」の違いとおすすめの食べ方
普段、何気なく選んでいた「山型食パン」と「角型食パン」ですが、味や食感にこれほど違いがあるとは驚きでした。
いつもトーストして食べていた方、サンドウィッチにして食べていた方も、製法の違いから自分なりの答え合わせができたのではないでしょうか。
私自身、トーストにしてもサンドウィッチにしても、角型食パンを選ぶことが多かったのですが、サンドウィッチは角型食パンで正解だったようです。
今後トーストとして食べる時には山型食パンを選び、味と食感の違いを味わって食べてみようと思います!