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空想と現実の狭間。どうしてどうしてオモシロイ!
ギリシャ神話に登場する神々や人間は実に多様で、その数も少なくありません。その中から中心となる神々をピックアップし、全18章に配置した構成となっています。
著者の阿刀田高氏は、さまざまな入門者向けの本を出していますが、初めての人にもわかりやすく解説するのがとても上手いと思います。
これからギリシャ神話に触れてみたい、また少しは知っているのだけれどといった読者にとって、本書は本当に楽しく読める一冊です。もちろんギリシャ神話に精通している人にとっても興味深い一冊です。
本書の特徴は、神話にまつわる名画がカラーで数多く掲載されています。絵を見ているとイメージが膨らみますし、絵をきっかけにして、より文章に引き込まれていきます。
プロメテウス、ゼウス、ヘラクレス、アポロン、オイディプス、オリオン等々それぞれの物語には、それぞれにしかない展開が待っており、その展開に惹かれてしまうのです。
ギリシャ神話は完全なフィクションともいえませんし、完全なノンフィクションともいえません。神話が生まれる土壌があったことは間違いありませんし、空想とも現実ともいえない、その中間だからこそギリシャ神話は面白いのではないでしょうか。