『新人生論ノート』木田元

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ノートを二つ持つといい。まっさらのノートと、この『新人生論ノート』だ。

昭和初期の哲学者・三木清に『人生論ノート』という著作があります。本書はこの『人生論ノート』と直接の関連はないが、同じく哲学者の著者がその構成を参考にして書いた現代版の人生論の一冊ということになります。「故郷」「記憶」「運命」「笑い」「人生行路の諸段階」「死」「理性」「性格」「読書」「自然」「戦争体験」「遊び」「時間」の13章から成ります。著者は二十世紀のドイツ哲学者マルティン・ハイデガーの哲学研究者であり、「運命」の章ではハイデガーの時間論、そして「死」の章では「死に臨む存在」といった概念を引き合いに出し、素直でかつやさしい語り口で語られていきます。「性格」の章では著者自身の経験も余すところなく披露され、性格とはあてになるものではないということを述べているのが興味深いのです。

人が押しつけてくる性格なんてものにわずらわされずに、本当に好きになれるもの、本当に夢中になれるものを探すがいい。そうすれば、人生をいまよりももっと深く豊かに生きることができるようになる。

読み終えると自分の中の考え方がわずかですが深くなった気になります。本書は、どうすれば人生が豊かになるのか(金銭的な面ではなく)、そのきっかけを教えてくれる一冊です。

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