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ただ熱いだけの「熱」じゃない。冷静な眼差しの中に芯の冷えた、でも触れると火傷するほどの「熱」がある。いうなれば「COOL FIRE」。
2018年秋にプロ麻雀リーグ「Mリーグ」が開幕しました。選ばれた21人の麻雀プロによるリーグ戦ですが、その中でも大活躍を見せているプロ雀士が本書の著者である多井隆晴プロです。
彼は麻雀の実力はもとより、個性的なしゃべりから解説者としても視聴者を惹きつけて止みません。本書を読むと、彼の麻雀業界に対する思い、希望、期待、憂い、危機感、不安、そして可能性についての一端を知ることができるでしょう。
誰よりも麻雀のファンを大切にしていることが印象的です。ファンあっての麻雀プロであり、ファンがあってこそ麻雀業界が盛り上がると信じて、実際に活性化を目指して行動している姿が素晴らしいと感じます。
本書は38章からなりますが、タイトルを見るだけでも、多井隆晴プロの考えを垣間見ることができます。
- 嫌いなこともやる
- 見られることを意識しろ
- 個性をつければいいってもんじゃない
- 希望を与えるぐらい稼ぎたい
- 課金してもらえる人間になれ
- 0から土台を作るのは大変
- どこにヒントがあるかわからない
- タイトル戦をネットで?
- 盛り上がるなら何にだってなる
- 負けをいかにプロデュースするか
- 団体は免許の発行所
- 巨人一強でおもしろいですか
- 死ぬときに後悔しないか考えよう
- 僕はRMUの広告塔
- 白黒はっきりさせない良さもある
- 内部評価は気にしない
- しゃべりにスランプなし
- ファンが何を求めているかを常に意識しよう
- 能力の衰えを素直に認める
本書の中にもさまざまに気になる発言はあるのですが、そのうちのひとつを取り上げてみましょう。
今の若手は、やりたい! までは言っても、その先がないんですよ。真のガツガツは断られた先にあるんです。
(「28 2匹目のどじょうはすぐ近くにいる」より)
若手はもっとガツガツしていい、断られても断られても喰らいつく覚悟が必要だと強く感じさせてくれるひとことです。
一時の熱ではない、継続した熱はかなりのエネルギーが必要ですが、多井隆晴プロの言動はまさに「熱」そのものといっていいでしょう。今後麻雀業界がどのように盛り上がっていくのか、その渦中にいるということは本当に幸せなことなのかもしれません。