物価高の昨今、日用品から食料品まで値上がりしています。
しかし「もやし」だけは、値上がりすることもなく、今でも家計に優しい家計の味方ですよね。
この「もやし」は一見、細くて色も薄くてどこか頼りなく、決して栄養価が高そうには見えないので、値段も安いのかなあと思いがちです。
意外と知られていませんが、もやしは低カロリーでありながら栄養があり、ダイエット中にもおすすめしたい食材なんです。
そこで、今回は意外と知られていないもやしの栄養成分と値上がりが続く今も、なぜ変わらず安い値段で販売することができるのかについてみていきたいと思います。
もやしの栄養成分とは?
私たちが目にする「もやし」は、豆を水に浸し、光の当たらない場所で発芽させたものを指します。
そもそも豆類と言えば大豆を連想しますよね。
そして豆類にはたんばく質が豊富ということは知られていますが、もやしの場合、発芽させる過程においてさらに他の栄養素が生成されると言われています。
日本で作られている「もやし」の種類は「緑豆もやし」「大豆もやし」、そしてあまり聞き慣れませんが「ブラックマッペ」の3種類です。
ここではこの3種類のもやしについてそれぞれ栄養成分をみていきたいと思います。
*エネルギー
緑豆もやし/15kcal
大豆もやし/29kcal
ブラックマッペ/17kcal
*たんぱく質
緑豆もやし/1.7g
大豆もやし/3.7g
ブラックマッペ/2.2g
*脂質
緑豆もやし/0.1g
大豆もやし/1.5g
ブラックマッペ/微量
*糖質
緑豆もやし/1.3g
大豆もやし/0g
ブラックマッペ/1.3g
*食物繊維
緑豆もやし/1.3g
大豆もやし/2.3g
ブラックマッペ/1.5g
*カルシウム
緑豆もやし/10mg
大豆もやし/23mg
ブラックマッペ/16mg
*葉酸
緑豆もやし/41μg
大豆もやし/85μg
ブラックマッペ/42μg
*ビタミンC
緑豆もやし/8mg
大豆もやし/5mg
ブラックマッペ/10mg
発芽させたもやしは、原料の豆に比べると、全体の95%が水分であるため低カロリーです。
さらに糖質は低く、たんぱく質が豊富で栄養価が高く、ビタミンやミネラルも含んでいるため、ダイエット食材として最適と言われています。
もやしが安い3つの理由
それでは、昔から家計の味方と言われているこのもやしですが、値上がりが続く今でも、なぜ安く販売することができるのでしょうか。
その理由は次の3つが大きな要因と言われています。
- 太陽の光が不要
- 土を使用しない
- 出荷するまでが早い
① 太陽の光が不要
太陽の光が不要ということは、言い換えると天候や気温の影響を受けることがないので屋内で栽培することができます。
そのため、生産にかかる費用を抑えることができ、安定した供給を期待できるということになります。
現在のもやしの栽培環境は、太陽の光が当たらない屋内で温度と湿度が整った場所で育てられています。
② 土を使用しない
そもそももやしは漢字で「萌やし」と書き、これは豆が発芽した状態のことを指します。
そして豆から発芽するということは、肥料がなくても水さえあれば育つので土や肥料の費用がかからないということです。
③ 出荷するまでが早い
野菜というのは、手間ひまかけてじっくり育てるイメージがありますが、もやしは発芽してから1週間ほどで出荷されます。
例えば、ほうれん草は種をまいてから出荷までに、夏は1ヶ月ほど、冬は3ヶ月ほどかかります。
レタスでも2ヶ月ほどかかるので、わずか1週間で出荷できるもやしは驚異のスピードといえます。
そのため、計画的に大量生産ができて、年間通じて安定した供給することが可能となります。
これらの理由により、今でも安く販売されていますが、実は栽培する際のコストは数十年前に比べ、当然値上がりしています。
人件費はもちろんのこと、原材料も高騰しています。しかし、今さら値上げできないというのがもやし業者の現状のようです。現に200以上あったもやし業者も、今では半分以下になっています。
前述してきたとおり、もやしを栽培するには、太陽の光が当たらない屋内で計画的に生産しているため、もはや農産物の括りではなくなっています。
それが良くも悪くも生産をコントロールできるので作りすぎて無駄になることがなく、安定した値段を維持できることにつながっています。
まとめ:意外と知らないもやしの栄養成分とは?値段が安い理由も知りたい!
もやしのイメージは、栄養がそれほどなくても野菜としては安い値段で、量もあるから買う、という人が多いと思います。
しかし、意外にももやしは栄養価が高く、数十年前と変わらない安い値段で買うことができます。
安い値段で販売できる理由としては次の3つがわかりました。
①太陽の光が不要
②土を使用しない
③出荷するまでが早い
この安い値段は私たち消費者にとっては嬉しいことですが、もやし業者にとっては危機に直面している状況とも言えます。
もやし業界が今後生き残るには、時代にあった値段への見直しをして「おいしいからもやしを買う」「この料理に必要だからもやしを買う」「栄養があるからもやしを買う」という意識改革を定着させる必要があるかもしれません。
もやしを絶やすことなく、おいしく食べるためにも、もやしの今までのイメージを払拭していくことが求められるかもしれませんね。