近年、ダイエットと共に「低GI食品」というものが注目されるようになりました。
この「GI値」というのは何を表しているのかご存知でしょうか?
これは食事をした後の血糖値の上昇度を表す指数です。
このGI値が高いものは血糖値を急激に上げるものであり、GI値が低いほど血糖値を緩やかに上げるものということになります。
血糖値が急激に上がり、それが続くと糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞など深刻な病気にも繋がりかねません。そして肥満の原因にもなります。
私は漠然とですが、低GIの食品を食べると血糖値が急激に上がらないため、病気の予防になり、また太りにくい体作りにもなるということは知っていました。
しかし、それが集中力や判断力をUPさせることに繋がるとはまったく知らなかったのでまさに目からうろこでした。
そこで今回は、この「GI値」についてと、なぜ集中力と判断力に関係するのかについてみていきたいと思います。
GI値を見分ける方法!3つのポイントとは?
普段、食材を購入するとき、パッケージにはカロリーや糖質、脂質などの表示はありますが、「GI値」は記載がありません。
ということは、私たちはどのようにして手にとった食材が高GIのものか低GIのものかを判断するのでしょうか。
ここではGI値の見分ける方法についてみていきたいと思います。ポイントは3つです。
- 甘すぎるものは避ける
- 白い食べものより茶色い食べもの
- 食物繊維が多いもの
これらが低GIの必須条件です。
① 甘すぎるものは避ける
「甘いもの=ブドウ糖」といってもよいと思います。
砂糖の甘さは当然のことながら糖質を含んでおり、血糖値が急上昇することに影響を与えます。
② 白い食べものより茶色い食べもの
白い食べものといって思い浮かぶのは「白米、うどん、パスタ」などの主食となる穀類ではないでしょうか。
これら穀類は炭水化物であり、糖質と食物繊維で構成されているため、ほとんどが糖質といえます。
この糖質の量が白いものには多く含まれ、茶色いものには白いものより少ないと言われています。
実際にGI値を符号で表すと次のようになります。
白米>玄米
白いパン>ライ麦パン
うどん>そば
砂糖においても精製されている上白糖より黒砂糖の方がGI値は低く、糖の吸収をゆるやかにしてくれます。
③ 食物繊維が多いもの
果物は全体的に糖質を多く含んでいます。
その中でも食物繊維を多く含んでいるものの方がGI値が低いといえます。
例)メロン・スイカ>りんご・いちご
当然ではありますが、果物に糖分を加えたジュースやジャムはさらにGI値が高くなります。
しかし、じゃがいもなど食物繊維が多く含まれていてもでんぷん質が多いため、GI値が高くなります。
このようにGI値だけにとらわれて、低GIの食品だけを食べるのは普段の食事の中では難しいことだと思います。
ただ、前述したように低GIを見分ける方法を知っておくだけでも毎日の生活に役立つのではないでしょうか。
糖質不足が集中力と判断力を奪う?!
先ほど述べたように、高GIよりも低GIの食品の方が血糖値の急激な上昇を抑え、体によいということが分かりました。
しかし、あまり「低GI」ということにとらわれすぎて糖質が不足すると集中力と判断力に影響するので注意が必要です。
たしかに勉強や仕事に長時間集中していて、何も食べたり飲んだりしなければ、どっと疲れがきて頭がぼーっとすることありますよね。
実際にある研究チームが糖質不足になるとどうなるかを実験したところ、砂糖入りの紅茶を飲んだグループと無糖紅茶を飲んだグループに簡単な計算をしてもらいました。
その結果、砂糖入りの紅茶を飲んだグループの方が無糖紅茶を飲んだグループに比べて計算ミスが少ないことが分かりました。
これらの結果からも分かるように、脳がエネルギーとして必要としているのは「糖質」ということです。
三大栄養素と言われる他のたんぱく質や脂質は、いくら摂取してもすぐには脳に必要なエネルギーとはなりません。よって糖質が不足すると脳にエネルギーが不足して疲れを感じてしまいます。
まとめ:低GI食品とは? 集中力と判断力がアップする?
まず低GIの食品を見分ける方法を見てきました。
- 甘すぎるものは避ける
- 白い食べものより茶色い食べもの
- 食物繊維が多いもの
また、低GIの食品を選んで食べることができればよいのですが、それが難しければ、食べ方として次を意識することで血糖値の急上昇を防ぐことができます。
- 食物繊維と一緒に食べる
- 食べる順番を考える
- 酢を摂取する
食物繊維を多く含むきのこ類と食べると糖質の吸収を抑え、空腹のときもサラダや汁物から食べたり、酢を摂取することにより血糖値が上がるのをゆるやかにする効果があります。
ここで間違った理解をしないようにしたいのが高GIの食品を食べてはいけないということではありません。
人間の体には当然必要な栄養素であり、逆に低GIの食品だからといってどれだけ食べてもいいわけではありません。
ダイエットが騒がれる世の中ですが、バランスよく、少しだけ食べものに関する知識を持ちながら健康な体作りを目指していきたいものですね。