いとおしいフォルムとクリクリな目で、まるでぬいぐるみのような姿を見せるコアラはとってもかわいいですよね!
日本でコアラに会える動物園は現在8か所しかなく、なかなかお目にかかれない動物になっています。
そんな中、今後さらにコアラに会える機会が少なくなってしまうという、不安になるようなニュースが報道されました。
それは、オーストラリア政府が野生のコアラの危機レベルを1段階引き上げ、絶滅の可能性が高いという判断を下したというニュースです。
今回は、コアラはどうして絶滅の危機に陥ってしまったのか、そしてコアラの絶滅を阻止するために私たちができることはあるのかを紹介していきたいと思います。
コアラの生態数激減の原因は「森林火災」と「地球温暖化」

コアラは1日の20時間近く睡眠をとると言われているほど、動きの少ない動物です。そのため活動の観測が難しく、生態数を正確に把握することが困難な動物として知られています。
あくまで頭数は推定ではありますが、20世紀初頭には300万頭ほど生息していたコアラは現在、10万頭以下になっていると言われています。数で見るとさらに深刻具合がわかりますよね。
そんな大規模な生態数減少を引き起こした原因は主に以下の2つです。
- オーストラリアにおける大規模森林火災
- 地球温暖化による環境変化や干ばつの発生
オーストラリアにおける大規模森林火災
オーストラリアにおける大規模森林火災とは、2019年8月から2020年3月までの長期間続いたオーストラリア南部の大規模火災を指しています。森林に落雷があったことにより、火災が起こったと言われています。
この火災による直接的な原因はもちろん、それによって森林破壊が進んだことにより住む場所や食料を失ったコアラが死んでしまい、なんと全体の3分の1が減少したと推定されるほど悲惨な火災となってしまいました。
さらにコアラにとって不運だったのが、その火災が大陸南部で起こってしまったということです。コアラはオーストラリアのどこにでも生息していると思われがちですが、実は生息は南部に集中しています。そんな地域での火災でしたので、より大きな被害が出てしまったのですね。
地球温暖化による環境変化や干ばつの発生
2つ目の原因は、急激な環境変化や干ばつの発生です。
近年では、森林減少や都市化、燃料の利用などによって地球温暖化や雨量の減少が進んでいるということはいろいろなところで聞く話ですね。
オーストラリアでもその影響は顕著に表れており、2019年の年間降水量は2001~2018年の53%となっており、まさに10年間で半減してしまいました。さきほど触れた森林火災が8か月以上続いたのも降水量の減少が影響していると考えられています。
乾燥した地域でも生息できるイメージの強いコアラですが、実はそれほど乾燥に強い動物ではありません。そもそもそのような土地では餌となるユーカリが育たないため、乾燥はコアラにとっては生きにくい条件であると言えます。
さらに、環境変化により異常な暑さや不安定な気候による落雷などが増加する予想がされており、ますます生態系を脅かすような災害が増えるのではないかと予想されています。人間が人工物を作るために森林伐採を繰り返すことが、悪循環に拍車をかけているひとつの要因でもあるでしょう。
コアラ保護のために私たちが出来ることは?

遠く離れた国のコアラを救うために私たちが出来ることは決して多くありませんし、その効果も大きくはないでしょう。
しかし、何もアクションを起こさずにただ絶滅を甘受してはいけません。とにかく小さなことから始めるという意識を持つことが大切なのではないでしょうか。
私たちが出来ることは、地球温暖化を抑制するための行動を実践してみることです。
テレビや雑誌などで一度は見聞きしたことがあることばかりですが、実際行動に移してみることはなかなか大変なことですよね。しかし、あのかわいいコアラを守るために!という意識を持てば少しはやってみようと思えるかもしれません。
例えば次のようなことは実践できるのではないでしょうか!?
- マイバックを持ち歩き、ビニール袋を使わないこと
- 割りばしを出来るだけ使用しない、または再利用すること
- 暖冷房機に頼りすぎないこと
- 日中は自然光を取り入れるなどして照明を使いすぎないこと
- 頻繁に使わない家電のコンセントは抜くこと
- 水の出しっぱなしはしないようにすること
- 家族団らんの場を大切にして多くの時間を同じ部屋で過ごすこと
これらはほんの一部ですので、このほかにもたくさんできることはあります。また、コアラを守るために私たちが出来ることがあるという事実を周りの人に伝えていくことも大切です。
子どもさんがいる方は、一緒に動物園に行ってみましょう。そしてかわいい動物たちを見ながら「この動物たちを守るために〇〇やってみようか」とうながすことで、その行動を取る理由をお子さんに伝えることができるのではないでしょうか。
子どもたちの世代でもかわいい動物たちが見られるように、今を生きる私たちが行動を起こしたいものです。
まとめ
今回は、コアラ絶滅危機の理由とそれを防ぐために私たちが出来ることについて紹介しました。
コアラの絶滅危機の原因となった森林火災も地球温暖化も、少なからず人間の活動の影響を受けていたことは紛れもない事実です。
コアラだけでなく、その他多くの動物が絶滅の危機に瀕しているということは、改めて自分自身の生活を見直す契機となるのではないでしょうか。
私一人が何かしても何も変わらないと考えるのではなく、まず何かやってみるという意識を持つことのきっかけになれば幸いです。