着衣着火の対処法・防止方法をわかりやすく解説!

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ガスの火

着ている服に火が燃え移ってしまう着衣着火

毎年全国で100名前後が亡くなってしまう深刻な事故です。ストーブを使う冬場はもちろん、最近流行のキャンプ時の焚火やバーベキューも注意が必要です。

また、栃木県の芸術大学の学生が着衣着火で亡くなるという痛ましい事故が起きています。電気工具を使った作業中に、火花が着衣に引火したことが原因でした。

私自身、ガスストーブに背中を向けて座っていたら

「ん?? なんか焦げ臭いぞ」

と思いセーターを見たら焦げていたことがあります。もし火が付いていたらと考えるとゾッとしました。

エアコンだけだから大丈夫と思っているあなたも、ガスコンロ・花火・アロマキャンドルなど火を使う場面は意外と多いです。

しっかりと正しい知識を身につけ、もしもの事故を防ぎましょう。

目次

着衣着火の原因と防止ポイント8つ

炎

着衣着火の原因と「表面フラッシュ現象」

着衣着火の原因でもっとも多いのは焚火です。その次に多いのはキッチンのコンロです。

被害は女性が男性の3倍以上です。調理の際、袖口に着火してしまうケースが多く発生しています。特に高齢者は素早く消火できず、重症になってしまいます。

またもう一つ、高齢者が注意しなければいけない点があります。それは、高齢になると青色系の色が分かりにくくなってしまう、ということです。白内障になると、その傾向はより強くなります。鍋からはみ出た青い炎に気がつかず、着衣着火してしまうのです。そのような場合は、周りの人が十分に注意してあげましょう。

着衣着火が起こりやすい時期は冬、特に1月です。温かい料理を作ることが増えますからね。

厚着をしているので、皮膚が炎の熱さを感じるスピードが遅くなってしまいます。私がセーターの焦げにすぐ気づけなかったのも、これが理由だと思います。

ところで「表面フラッシュ現象」という言葉を聞いたことがありますか?

表面フラッシュ現象とは、わずかな炎の着火で短時間に衣服の表面を火が走る現象のことを指します。

表面フラッシュ現象が起こりやすい素材は、綿・レーヨン・キュプラなどのセルロース系繊維になります。冬場のパジャマや部屋着・ネルシャツなどふわふわした起毛素材も火が移りやすいので、十分に気をつけなければいけません。

着衣着火の防止ポイント8つ

着衣着火を起こさないために、次のことを注意しましょう。

  1. コンロの奥に調味料や調理器具を置かない
  2. コンロの使用中や仏壇のろうそくを付けている時は、周囲の掃除をしない
  3. コンロの火が鍋底からはみ出すほど強火にしない
  4. 花火やバーベキューの時は風下に立たない。ストールやマフラーなどに火がつかないようにする
  5. 高齢者や子どもは燃えにくい素材の衣類(特にパジャマ)を選ぶ

日常の生活で気をつけるのはもちろんですが、次のような場合も気をつけましょう。

  1. 旅館の浴衣で、卓上コンロでお鍋を調理・食べるとき
  2. 浴衣で花火をするとき
  3. 着物でお仏壇をお参りするとき

普段は着なれない着物や浴衣の袖にも注意が必要です。
また、最近はオーバーサイズがトレンドですがダボっとした袖口も注意が必要です。

万が一着衣着火が起こってしまったときの対処法

防火用バケツ

もし自分が着ている服に火が燃え移ってしまったら、慌てて走りまわってはいけません!
走ることで風が起こり、かえって火の勢いが大きくなってしまいます。

また、手で消すことも困難です。もしキッチンや水道のある状況ならば、水をかけて火を消してください。

水が近くにない場合は「ストップ」「ドロップ」「ロール」をします。

ストップ: 止まって

火の勢いを大きくさせないために、まずその場に止まります。慌てて腕をパタパタ振るのもダメです。他の場所に火の粉が飛んでしまうかもしれません。

ドロップ: 倒れる

地面に倒れこみ、終えているところを地面に押し付けるように、体と地面をくっつけます。
体と地面の間に出来るだけ隙間が出来なようにします。

ロール: 転がる

地面に倒れたまま左右に転がります。顔へのやけどを防ぐために両手で顔覆います。
転がると、洋服に着いた火を窒息消火させることが出来ます。

この方法はアメリカの消防士さんが考えた合言葉です。アメリカでは子供のころから着衣着火の対処法として教育されているそうです。それが、日本でも広まりつつあります。

慌てずにできるように、外で火を使う時は思い出しておきましょう。

まとめ:着衣着火の原因と対処法

身近に起こる着衣着火について、お伝えしてきました。まとめると以下の通りです。

着衣着火の原因と対処法のまとめ

  • 着衣着火は年間100名ほどが亡くなってしまう身近な危険
  • キッチンのコンロでの事故がとても多い また素早く消火できない高齢者は注意
  • 「表面フラッシュ現象」が起こりやすい素材は綿やレーヨンなどのセルロース系繊維・起毛素材
  • 万が一火がついてしまい近くに水がなければ、「ストップ」「ドロップ」「ロール」で消火する

冬場、着ているカーディガンやフリースもキッチンに入ってコンロを使う際は、必ず脱ぎましょう。高齢者の方には燃えにくいエプロンやアームバンドプレゼントしてあげてもいいですね。

大きな事故につながる着衣着火を、なくしていきましょう。

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