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自分の価値は、もうひとりの客観的な自分が見つけてくれる。
自分の価値とはいったい何だろう。日々暮らしていると、このような疑問がふっと湧いてくることがあります。しかしその答えを求めようとすると、他者と比較してとりたててずば抜けたものがないと感じる人も多いのではないでしょうか。
本書は、会社の肩書きとは異なる「自分」自身の価値や強みをどのように見出すか、そしてどのように活かせばいいのかを順を追って説明してくれています。章の副題を並べてみると、競争戦略論、イノベーション、バリュープロポジション、強みの構造とセレンディピティ、リアルオプション理論、内発的動機付けとフロー理論、センスメイキング理論、仮説検証とアダプト思考、ダイナミックケイパビリティ、ソーシャルネットワーク理論と利他的動機付けと実に多様です。理論の名前だけではわからない部分が多いと思いますが、本書は特に難しい言葉を使用することもなく、マーケティング初心者にもわかるように書かれています。
中でも気になった箇所は、センスメイキング理論つまり「自分だけの優れた物語をつくる」ことが、価値を高めることにつながる点でした。長野県阿智村の日本一の星空ツアーや、防犯ミラーで知られるコミー株式会社の事例を頻繁に取り上げ、章ごとに図表が示されるので、どんどん理解が進みます。ただ読んだらすぐに自分の価値が高まるというものではありません。しかし書かれている内容を一歩ずつ実行していけば、少しずつ自分の価値が見えてくる、そういう本です。自分の価値がかたちになるまで、何度か繰り返し読みたい一冊です。
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