人にはそれぞれ「個性」があります。「個性」というものは、その人の持つ「性格」によって創り上げられます。
たまに耳にすることがある「気質」という言葉、「性格」と「気質」は似ているようで違うものですが何が違うのか分かりますか。
この「気質」こそが、子どもの頃に誰もが一度は通る道「習い事」に向いているのか向いていないのか、そのヒントにもなると言われています。
大人になれば、社会に出て人間関係を築き上げる上でも個々が持つ「気質」を理解していると役に立つと思います。
そこで今回は、この「気質」とはどういうものなのか、また人が持つ9つの「気質」についてみていきたいと思います。
「気質」とは?
そもそも「気質」とはどういうものなのでしょうか。
「気質」というのは、その人が元々生まれながらに持っている「性質」のことです。
「性格」というのは、生まれてから接する人や環境によって創られ、環境によっては変わることもあります。また意識的に変えることも可能です。
分かりやすくいうと、「気質」は「性格」の基礎となるもので、「気質」は生まれながらの先天的なもの、「性格」は生まれてからの後天的なものということができます。
「気質」は遺伝的要素が強いため、それを知っていると、子どもにおいては、親がわが子の環境を整えてあげることができます。
例えば、おとなしい気質の子どもに活発になってほしいと大人数のクラブチームに入れてスポーツをさせても、本人にとっては苦痛でしかないでしょう。
しかし、おとなしい気質を理解して、少人数ののんびりしたクラブチームに入れば、もしかしたら、楽しんで続けることができるかもしれません。
このように「性格」とは異なる「気質」を理解していれば、どんな環境がその子には合うのかを考え、大人になってからも、人間関係を築く上で有効となるはずです。
人の「気質」は全部で9つ!
ここでまず、念頭に置いてほしいのが「気質」というのは一括りにできないということです。
おとなしい人だからみんなと話すのが苦手で人見知り、ではなく、おとなしい人でも人見知りではない人もいます。
これから挙げる9つの項目を見て、自分の身近な人の「気質」を分析してみてくださいね。
9つの気質
- 「活発」または「おとなしい」
- 「きちんと」または「ざっくり」
- 「好奇心旺盛」または「控え目」
- 「順応」または「人見知り」
- 「痛みに強い」または「痛みに弱い」
- 「クール」または「大げさ」
- 「ニコニコ」または「ムスッと」
- 「あれもこれも」または「じっくり集中」
- 「さっぱり」または「粘り強い」
ひとつひとつ見ていきましょう!
① 「活発」または「おとなしい」
日常の行動より、アクションが大きいのか小さいのか、テンションは常に高いのか低いのかを考えてみましょう。
「活発」な人は、じっとしていることが苦手で常に動き回っていたり、時間に制約があることに苦痛を感じます。
「おとなしい」人は、ひとつのことをじっくりと進めていくことが得意なので集中できる環境こそがその人の魅力を発揮できます。
② 「きちんと」または「ざっくり」
生活スタイルにおいて、食事や睡眠時間など生活リズムが決まっているか、時間に追われてというよりも、自然とそうなっているかどうかです。
「きちんと」している人は、自分で身の回りのことを管理してできており、「ざっくり」している人は、周りから言われて動くことが多い人です。
③ 「好奇心旺盛」または「控え目」
初めて経験することに対して、自ら進んでやってみたいと思うか、もしくは何事にも慎重に進むかどうかです。
「好奇心旺盛」な人は、初めてのことにもやってみたいと思い、「控え目」な人は、自分から飛び込んでいくのは苦手でいろいろと調べたり確認した上で進める人です。
④ 「順応」または「人見知り」
新しい環境におかれたときの順応性によって分かります。
「順応」できる人は、例え環境が変わったとしても臨機応変に対応することができて、すぐに慣れていきます。
「人見知り」の人は、知らない人ばかりがいるところではどうしていいのかわからず、新しく人間関係を築くことが苦手です。
⑤ 「痛みに強い」または「痛みに弱い」
痛みに対する反応を見てみます。例えば、予防接種のときなどが分かりやすいです。
痛くても我慢している人は痛みに強く、声を上げて叫んだりする人もいる人は、痛みに弱いことになります。
⑥ 「クール」または「大げさ」
楽しいときや怒っているとき、喜怒哀楽をどのように表現するかです。
何が起きても表情を変えない人は「クール」タイプですが、嬉しそうに喜んだり、顔色を変えて怒る人は「大げさ」タイプとなります。
⑦ 「ニコニコ」または「ムスッと」
いつも穏やかにみえるか、どことなく機嫌が悪くみえるかどうかです。これらは不快への敏感度が分かります。
日頃から不快感を感じることなく、比較的穏やかな「ニコニコ」タイプと、常になんとなく怒っているように見える「ムスッと」タイプになります。
⑧ 「あれもこれも」または「じっくり集中」
行動パターンとしてどんなことにも興味を示し、あれもこれも手をだしてしまうか、ひとつのことに集中するかをみます。
自分のまわりで起きていることに興味を持ち、ついそちらにも意識が向いてあれもこれも手をだしてしまうのは「あれもこれも」タイプです。
一方、環境の変化を好まず何かひとつのことに集中するのが「じっくり集中」タイプです。
⑨ 「さっぱり」または「粘り強い」
物事に対する執着度が分かります。
目の前で起きていることに執着することなく
無理だと思うとあっさり諦めてしまうのが「さっぱり」タイプです。
それに対し、物事に執着して、できるまで粘って成し遂げるのが「粘り強い」タイプです。
いかがでしたでしょうか。普段は何気なく接している人でも改めて9つの項目で考えると面白いですよね。
そしてこれら9つの項目によってその人が生まれ持つ「性質」、その人の「気質」というものが分かります。
まとめ:人間関係にも役立つ!人が持つ9つの「気質」とは?
これらの「気質」を理解していると、冒頭で述べたように、子どもであれば習い事を考えるときに、子どもがただ「やりたい」「やりたくない」と言っているのか、本当に合っているのかどうかが分かります。
子どもに本当に合っている習い事なのかを親が見極めることができたら子どもものびのびと過ごすことができますよね。
また社会に出てからも、人間関係を築く上でその人の「性格」によるものなのか、「気質」によるものなのかを知ることによって、受け止め方も変わり、良好な人間関係を築くことができそうですね。