回転寿司は回ってくるお寿司を見ているだけも楽しく、次は何が回ってくるのかワクワクしますよね。楽しみながらおいしいお寿司を食べられる日本が誇れるシステムです。
我が家も回転寿司が好きでよく行きます。いくつかの回転寿司店がありますが、それぞれに特徴があるので、そのときの気分で行きたい店に行きます。
それが昨今、犯罪ともいえる迷惑行為がニュースになり、利用している私たちを不安にさせています。
それぞれの回転寿司店で対策を考えている中、2023年3月に「くら寿司」ではAIカメラを開発して、全店舗に導入しました。
簡単にいうと、このAIカメラを導入したことにより、不審な行為をAIカメラが捕らえると、本部に通報されるシステムとなっています。
しかし、実際のところ、このAIカメラシステムでも完璧に迷惑行為を阻止できるものだとは言い切れないようです。
そこで今回は、回転寿司店で迷惑行為を阻止するためのAIカメラの仕組みと迷惑行為を完璧に阻止できない理由についてみていきたいと思います。
迷惑行為を阻止するためのAIカメラの仕組み
元々、この「くら寿司」では、10年前から埃やウイルス対策として回転寿司に「抗菌寿司カバー」を導入しており、私はそのとき、とても画期的なことを考えたものだと驚きました。
このときに同時に導入した「店舗遠隔支援システム」を利用することで、AIカメラをレーンの上に設置して、不審な迷惑行為の映像を記録したり、異常を検知して本部へ通報することができる仕組みです。
通報を受けた本部は、該当店舗に直接連絡を入れて、連絡を受けた店舗が確認をして、疑いのある皿を撤去する、という流れになっています。
回転寿司店やセルフサービスの飲食店で増えている迷惑行為ですが、回転レーンシステムの飲食店では、店員の目が行き届かないため、AIカメラを利用したシステムを開発したそうです。
しかし、それでも完璧に迷惑行為を阻止できるというわけでもなく、いろいろと問題もあるようです。
そこで次では、なぜ迷惑行為が完璧には阻止できないのかについてみていきたいと思います。
なぜ迷惑行為を完全に阻止できないのか?
そもそもAIカメラというのは、回転寿司のレーンを監視しているものであり、レーンを回っているものに対しては対策が取れます。しかし、レーンを回っていない共用物に迷惑行為が行われた場合、このAIカメラでは対処できないということです。
回転寿司店でいえば、最初からテーブルに置いてある湯呑や箸、醤油などの調味料に悪質行為をする場合です。このような悪質行為の動画もニュースで話題となりました。
私も娘と回転寿司店を訪れたときは、元から置いてある箸を使うのことに躊躇してしまいます。そのため、毎回テイクアウト用の割り箸を使用させてもらっています。
もしかしたら、手間かもしれませんが共用物はテーブルに置かず、客が来店して席についてから店員が持っていく方が安心のような気がします。
また回転寿司店のひとつでもある「すし銚子丸」では、2023年3月3日より、寿司をレーンに流すシステムを廃止し、客がタッチパネルでオーダーした商品のみを提供するシステムにしました。
そうなるともはや「回転寿司」の意味はなく、レーンで回ってくる寿司に対するワクワク感はなくなってしまいますが、これも安全面を考えると仕方がないのかもしれませんね。
そもそもこの迷惑行為の動画の始まりは「スシロー」でした。この迷惑行為の動画がSNSで拡散され、その後、他の回転寿司店、牛丼店など相次いでニュースとなりました。
一度、このような事件が起きて大きな社会問題となると客足は遠のいてしまうことも否めません。他の飲食店においても、風評被害ともいえます。
確かに飲食店において、もし健康被害など問題が起きれば「やっぱり・・・」となり、飲食業界が危機に直面することになります。
飲食業界全体のためにも、個々の飲食店がより安心して利用してもらえるよう、さらに各企業では今もなお話し合いが行われているようです。
まとめ:回転寿司で迷惑行為を阻止するためのAIカメラが完璧ではない理由
回転寿司というのは、日本発祥ともいえる日本の素晴らしい食文化のひとつです。
日本に訪れた外国人が回転寿司を見て「とても楽しい!すごい!」と絶賛していたのをテレビで見たことがあります。
先日、テレビのニュースで「くら寿司」の広報部の人が「回転寿司であっても、衛生面や安全面から考えて回転するレーンをなくせばよいのではないかという意見もありました。
しかし、次はどんな寿司が回ってくるのだろうか、こんな寿司があるんだ、など回転寿司に対するお客様のワクワク感を大切にしたいので、回転寿司のレーンをなくすことはできません」と言われていました。
回転寿司でレーンをそのまま活かし、今回のようにAIカメラシステムを開発し、それでも迷惑行為が多発すればまた次の手を考えるしかありません。
悲しい世の中だと思ったこともありますが、やはりその時代にあった食文化を創りだす力がある日本の技術に今後も期待したいと思います。