私は魚料理の中でも刺身がとても好きです。
醤油とわさびをつけるだけで、魚本来の味を楽しむことができます。
和食の店でも鮨店でも、スーパーでも気軽に買うことができる刺身、盛り付け方は独特で美しいですよね。
刺身の切り身がより美味しそうに見えるよう、大根の千切りや大葉が一緒に添えられています。
その中でも「菊」の花があるのとないのとでは、見た目の華やかさが全然違いますよね。
私は子どもの頃からずっと、「菊」の花は単なる飾りだけであって食べるものではないと思っていました。
それがこの刺身に添えられている「菊」の花というのは、実は食用であり、食べることができるというので驚きです。
そして「菊」の花が添えられていることには、れっきとした理由があるんです。
そこで今回は、刺身に「菊」の花が添えられている理由と「菊」の花の食べ方と保存方法をみていきたいと思います。
「菊」の花が添えられている理由は?
そもそも「菊」の花は平安時代に中国から日本へやって来ました。元は観賞用として宮中で上流階級の人たちの間で楽しまれていました。
しかし、苦みを取り除いて花弁を大きくし、少しずつ品種改良され食用の菊として江戸時代から食べられるようになってきたと言われています。
そして食用の菊には解毒作用や殺菌効果があることが知られるようになり、その頃から生の魚と一緒に食べられるようになりました。
花びらだけではとても少量なので栄養がどれくらいあるのか気になりますよね。
しかし、葉酸やビタミンB群、ビタミンC、ベータカロテンなど、抗酸化作用のある栄養素が豊富で、解毒作用も高く老化防止にもなります。
さらに最近では、コレステロールや中性脂肪を減らしたり、がん予防の効果もあることが知られています。
これほど栄養豊富な食用の「菊」ですが、わざわざ購入してまで食べる人は、ほとんどいないと思います。
食用の「菊」の産地は青森県や山形県などの東北地方、他には新潟県や愛知県があります。
それらの地域では郷土料理に使われたり、食べられていましたが、他の地域までは食べる習慣が広がることはなく、スーパーで購入できることもほとんどありませんでした。
現在でも食用の「菊」を食べることはあまり知られておらず、仮に食用の「菊」を目の前にしても、食べ方を知らない人がほとんどだと思います。
本来は解毒作用、殺菌効果を加味して刺身に添えられているのですが、現実は単なる飾りだけで終わってしまっているというのは残念なことですね。
「菊」の花の食べ方は?保存方法も教えて!
私は食用の菊があることは知っていましたが、もちろん食べたことはなく、食べ方も知りませんでした。
一般的な食べ方は花びらを取って料理に使うそうです。
ただ軸は苦みが強いので、軸は食べないように注意した方が良さそうです。
多くの人は食用の「菊」を目にするのは、やはり刺身くらいでしょうか。しかし、実際、他の料理にも添えられていることがあります。
例えば、ちらし寿司やサラダにも花びらを散らしたり、おひたしや酢の物、汁物に加えたりもします。
また大きな花びらの場合は天ぷらにすると、菊の花びら独特の味わいを楽しむことができるようです。
ここでは簡単なレシピと保存方法をご紹介したいと思います。
【菊の甘酢漬け】
(材料)
食用菊 1パック
酢 100ml
砂糖 大さじ1
塩 小さじ1/3
(作り方)
① 耐熱ボウルに食用菊以外の調味料を入れてラップをかけて電子レンジで1分30秒加熱
② 食用菊の花びらを取り、湯1リットルに対して酢大さじ1を入れて花びらをさっと茹でて冷水にいれる
③ ①を戻して和える
【菊の天ぷら】
(材料)
食用菊 6輪
マヨネーズ 大さじ1
冷水 75ml
小麦粉 50g
揚げ油 適量
(作り方)
① ボウルにマヨネーズ、冷水を入れ混ぜて、小麦粉を加え、さっくり混ぜる。
② 食用菊を洗い、水気をきって、小麦粉をふり、①の衣を付ける
④ 170℃に熱した油で、30秒ほど揚げる。裏返して反対側を10秒ほど揚げる
【菊の花ごはん】
(材料)
食用菊 12g
温かいごはん 2杯(260g)
高菜漬け 20g
炒りごま 小さじ1
刻みのり 適量
(作り方)
① 食用菊の花びらを取り、湯1ℓに対して酢大さじ1でゆでて冷水に取り、水気をきる
② 高菜漬けを細かく刻む
③ ボウルにごはんを入れ、①②とごまを加えて混ぜる
【冷凍保存方法】
① 酢を入れた湯でゆでた食用菊の水気をしっかり絞る
② 一度に使用する分ずつラップで包み、密閉保存袋に入れる
③ 空気を抜いて袋の口を閉じ、冷凍する
【解凍方法】
① 25gにつき冷蔵庫で2時間ほどかけてゆっくり解凍する
② ラップをしたまま電子レンジ20秒加熱してもOK
まとめ:刺身に添えられている「菊」の花の正体は?
刺身に添えられている「菊」の花は、主に飾りだと思っていましたが、それだけではなく、解毒作用や殺菌効果があり、実は食用の「菊」の花であることが分かりました。
さらにコレステロールを減らし、がん予防にもなるのであれば、ぜひ普段の食生活にも積極的に取り入れたいですよね。
調理方法も、花びらを取り、刺身や和え物に散らしたり、菊を一輪ごと天ぷらにしたり、見た目にも華やかで簡単に食べることができます。
スーパーではあまり多く見かけませんが、必ず火を通さなければならないというわけではなく、生で食べることもできるので、見つけたときには、幸運だったと思い、ぜひ購入したいものですね。