じゃがいもは、日本の家庭料理に必ずと言っていいほど登場する親しみ深い野菜の一つですよね。
そんなじゃがいもにも、知っていないと大変な危険が潜んでいます。
最も有名なものは、じゃがいもの芽の毒ではないでしょうか。じゃがいもの芽には人間にとって有毒な成分が含まれているので、食べられません。
そしてもう一つ、じゃがいもの芽ほど有名ではないのですが、緑色になったじゃがいもにも注意が必要です!
皮や中身(茎)がキウイフルーツのような鮮やかな緑色になったじゃがいもにも、人間に非常に害の強い成分が含まれているんです。
じゃがいもの芽や緑色の皮・中身を食べるとどうなるのか、またどのように危険を判断・対処すべきかについて詳しく見ていきます。
じゃがいもの芽と緑のじゃがいもの毒素は同じ!
じゃがいもの芽が食べられないことは良く知られています。
私自身、学校の家庭科の授業で教わり、調理実習でじゃがいもの芽を取り除く実践をした記憶があります。あなたも何らかの形で習ったのではないでしょうか。
じゃがいもの芽に含まれる毒素は、ソラニンやチャコニンというものです。チャコニンの方がソラニンよりも毒性が強いですが、その作用はほぼ同じです。
ソラニンやチャコニンを口に入れると、ピリピリとした辛味や苦みを強く感じます。
神経に異常を与え、食べて30分から数時間で頭痛やめまい、下痢、嘔吐、腹痛、心拍の上昇や呼吸困難などの症状が出ます。最悪の場合、死に至ることも…!
致死量は体重1㎏あたり5gほどとされており、体重50㎏の人で250gほどとなります。
さらに、この毒素は熱に強く、加熱しても減りません。「加熱すれば安心」という世間の一般常識が通用しない、最悪の毒素なのです…。
このようにとっても危険な毒素なので、それが含まれるじゃがいもの芽に注意するように教えられますが、実はじゃがいもの芽に注意するだけでは足りないんです。
なぜならこの毒素、緑色に変色したじゃがいもの皮や中身にも含まれているのです!
じゃがいもは太陽や蛍光灯といった光にたくさん当たると、皮や中身が蛍光色っぽい緑色に変色します。それが、じゃがいもの中のソラニンやチャコニンが増えてしまっている証拠。食べると、じゃがいもの芽と同じような中毒症状が出てしまいます…!
変色したじゃがいもの危険については、じゃがいもの芽に比べて認知度が低いようです。しかし、下手をするとじゃがいもの芽よりも多く取り込んでしまいやすく危険なので、しっかりと危険を知っておくことが大切。
ここまで、じゃがいもの恐ろしい中毒症状についてお話してきました。では、このような中毒症状を防ぐためには、どのような対策が効果的なのでしょうか。
次は、じゃがいもの中毒防止の方法について見ていきます。
じゃがいもの保存は新聞紙を使う!
じゃがいもの保存は新聞紙に包んで暗い場所で!
先ほど、じゃがいもは太陽や蛍光灯の光で変色してしまうとお話しましたね。そして、じゃがいもの芽も光に当たると生えてきやすくなります。そのため、暗い場所での保存が鉄則となります!!
また、じゃがいもは湿気が苦手な野菜です。そのため、保存には湿気の少ない場所を選びましょう。
そして、暗い場所での保存の際、よりじゃがいもを新鮮に保つためのひと手間があります。それは、じゃがいもの土をしっかりと落として、新聞紙でくるむことです。新聞紙がない場合は、キッチンペーパーで代用できます。
このひと手間を加えることで、湿気をため込んでしまう原因となる土を取り除き、新聞紙やキッチンペーパーに湿気を吸い取らせることができます。また、光からより効果的にじゃがいもを守ることにもなります。
保存中は定期的にじゃがいもの様子を確認し、新聞紙やキッチンペーパーが湿っている場合は、新しい物に取り替えます。少し手間はかかりますが、より安全で美味しいじゃがいもを食べるためにも、ぜひやってみてください!
じゃがいも調理の前の確認
また、調理の前にじゃがいもの確認をすることもとっても大切です。
調理の前の確認ポイントは4つです。順番に見ていきましょう。
- 芽がないか
- 緑色になっていないか
- 傷がついていないか
- 腐っていないか
芽がないか
まずは芽がないかどうか。もし芽があったら、その周辺を根元からしっかりとくりぬいて処理します。くりぬくのが難しい場合は、芽がある部分の皮を厚くむいて取り除きます。根元の部分が残ってしまわないように気を付けましょう!
緑色になっていないか
次に、皮や中身が緑色に変色していないかどうか。しっかりと見て緑色になっていないか確認してから皮をむきます。まれに中身のみが緑色に変色している場合もあるため、皮をむいた後の中身の色もしっかり確認しましょう。
傷がついていないか
なお、芽や変色が見られない場合でも、傷のついているじゃがいもには注意が必要です。暗い場所で正しく保管していても、外気に触れる部分があると、毒素がたまりやすくなってしまいます。傷を発見した場合は、念入りに確認をしましょう。
腐っていないかどうか
また、ソラニンやチャコニンの中毒のほかに確認すべきなのが、じゃがいもの腐敗の有無です!
じゃがいもは湿気に弱いというお話をしました。湿気の多い場所に長時間置かれていると、じゃがいもは腐ってしまいます。気を付けていても腐敗してしまう場合はあるので、調理する前にしっかりとチェックしましょう。
じゃがいもの表面にカビが生えている、じゃがいもから茶色の汁が出ている、異臭がする、ぶよぶよと柔らかくなっているといった場合は、腐ってしまっている可能性が高いです。気づかずに使ってしまうことがないように気を付けてください!
まとめ:じゃがいもの緑は毒!? 正しい保存と調理前の確認方法を解説!
ここまで、じゃがいもの芽や変色したじゃがいもの恐ろしさ、そして中毒を防止するための保存方法・調理前の確認方法をお伝えしてきました。
じゃがいもは日々の食事の中で必要不可欠な存在です。
案外身近に潜んでいる危険や、その予防方法をしっかりと理解し、安全にじゃがいもを楽しみましょう!